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病理画像AI診断
病理画像診断AI支援
医療画像と聞いて、MRI、CT、レントゲン、超音波を思い浮かべる方は多いでしょう。しかし、近年新たに注目されている技術「デジタルパソロジー」が、医療の可能性をさらに広げています。従来、病理医は顕微鏡を使ってガラススライドを観察し診断を行っていました。しかし、WSI(Whole Slide Imaging)スキャナを用いてスライドをデジタル化することで、診断プロセスが劇的に変化しました。
 
 日本病理学会の調査によると、日本には現在約2,400人の病理医が存在しますが、必要とされる約8,000人との間に大きなギャップがあります。日本の病理専門医数はアメリカの約1/5(17.7%)程度であり、アメリカでは臓器別の専門医が診断を行うのに対し、日本では1人の病理医がすべての臓器の診断を担当するケースが一般的です。このため、日本の病理医は非常に高い業務負担を強いられています。 
令和3年の日本病理学会の調査では、977か所の認定・登録施設のうち、常勤病理医が不在の施設は199か所(20.4%)、1人の病理医のみが診断を担当している施設は345か所(35.3%)でした。これらを合わせると、554病院(55.7%)でダブルチェックが行われていない可能性があると報告されています。また、WHO(世界保健機関)の基準から判断すると、世界中で2万~7.5万人の病理医が不足しており、病理診断の効率化と精度向上が急務となっています。 
 
 医師の働き方改革とAIによる補助診断支援システムの導入
令和6年4月からは「医師の働き方改革」が始まり、時間外労働の上限規制が設けられました。このような状況下で、特に微細な変化や異常を捉える画像AI技術は、人間が見落としがちな病変を検出し、早期発見や早期治療を実現する可能性を秘めています。 AIが診断やデータ分析を行うことで、医師の負担を軽減し、より多くの時間を患者対応や高度な医療判断に集中させることが可能になります。AI技術は、チーム医療の一員として、タスクシェアの重要なパートナーとなることが期待されています。
特に1人の病理医体制の病院では、AIによる補助診断支援システムを導入することで、ダブルチェック体制を構築し、診断の精度やスピードを向上させることができます。例えば、病理診断の過程でAI技術が初期のスクリーニングを担当し、医師はAIが示した結果をもとに最終的な判断を下すことで、診断の精度とスピードが大幅に向上します。 
 
弊社の取り組み 
弊社は、順天堂大学附属順天堂医院の病理診断センター長である林 大久生先生を中心とした研究グループと協力し、病理診断AIの共同研究を進めています。病理診断センターが保有する豊富な専門知識や診断技術と、弊社が強みとする医療画像AI診断技術を組み合わせることで、AIを活用した診断の高度化を目指しています。この共同研究により、医療現場での病理診断AIシステムの実現に向けた新たな道を切り開くことが期待されます。 
CADeとCADx
負担軽減・効率向上・早期発見

  CADe(Computer-Aided Detectionは、病理画像から病変の可能性がある領域を自動的に検出し、病理医の診断を支援するAI技術です。CADe機能が医師よりも先に自動検出し病変又は異常値を読影し病変候補を特定した後に、医師はCADeが提示した病変候補のみを読影するというスクリーニング効果が期待されます。

  CADx(Computer-Aided Diagnosis)は、CADeが検出した病変領域の特徴を分析し、良性・悪性の判定や疾患分類を行うAI技術です。病理医の診断を補助し、一貫性のある評価を提供することで診断の精度向上を目指します。

    cade           病理CADe

 画像診断の仕事が完全にAIに置き換わるのではなく,AIにより画像診断の一部を自動化することによって,画像診断医がより診断における複合的な判断に意識と能力を集中させることが可能となり,その結果,AIが医師のスクシェアとしてサポーターして能力を向上させ,質の高い医療を提供する方向に進んでいきます。

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