世界の超音波機器の市場規模は地域別市場の規模では、北米が5445.8億円と最大で、欧州が3665.9億円、アジアが2510.9億円と続き、超音波診断装置の世界市場は2030年まで年平均成長率7.9％（CAGR）で成長する見込みと予測（Fortune Business Insightsによる）されています。

　　超音波診断装置において課題となっているのが、一番は人手不足で医師や専門家の数は限られており、診断に要する時間と労力が非常に高いからです。特に一部の地域や特殊な分野で深刻な課題となっています。二番は複雑な超音波画像解釈には多くの情報が含まれ、複雑な病態を正確に診断するためには（特に初期の疾患や微細な異常の検出は）高度な専門知識と経験が必要です。三番ですが診断の一貫性と変動と言われ、医師の主観的な判断により、同じ画像に対して異なる診断が出されることがあり、結局は同じ画像でも医師により、タイミングにより一貫性に欠けることです。また、診断の変動があることから、患者によっては誤診が発生する可能性もあります。

　　上記の超音波診断装置の課題を解決する為に3D/4DとAI統合した次世代技術の超音波の導入や、時間のかかるプロセスを自動化するためのAI技術の統合が予測期間中の市場成長を促進すると予想されています。次世代超音波診断システムの世界市場規模は、2021年に1155億円でしたが2022年から2030年までの予測期間中に年平均成長率（CAGR）9.1%を記録し、2030年には2300億円に達すると予測されています。超音波技術における新たなAI導入のイノベーションが市場規模を拡大しています。

　　また超音波診断装置の小型軽量化や低コスト化、AI技術による自動化によりPoint of Care（POC）の観点から使いやすく・導入のしやすいものへのニーズが高まっています。POCであるポータブル携帯型超音波診断装置においては、医師が病室や災害地、救急現場にて、AIを活用した患者の診断・処置を行うニーズが近年爆発的に高まっており、更なる市場規模の拡大が見込まれます。特にAIを活用した知能視診機とも言い、世界中の資源の乏しい地域での使用が可能になりました。